2020年5月30日
『言葉』は、人に与えられた必要不可欠なコミュニケーション手段です。
家庭・学校・会社といったコミュニティの中で当たり前のように使われるだけでなく、SNSなどの顔が見えない環境でも、日々数えきれないほどの言葉がやりとりされています。
それは、「人を喜ばせる」役割を果たすこともあれば、時に「人を傷つける」道具にもなります。
最も恐ろしいケースでは、コミュニケーションの手段であったはずの『言葉』が一方的に誰かを深い悲しみに陥れ、命を奪ってしまうことさえあるのです。
ネットを取り巻く環境での誹謗中傷に関しては、罰則などの制度改革が期待されています。
その他、専門家をはじめ長い間インターネットの世界で活動している方々を中心に、問題提起や解決策など、さまざまなメッセージが発信されています。
(幅広い視点からの話に触れることが重要だと思います。私もここ数日でたくさんの人の発信を読み・聞きました。)
私はこのブログを通して、英語を学ぶことの重要性を発信してきました。
そこで今回は私なりに伝えたいことを、コミュニケーションツールの一つである「英語という言葉」を軸にお話ししていきたいと思います。
言葉の持つ「影響力」を知る
日本で生まれ育った人は自由自在に日本語を操り、(ボキャブラリーの豊富さの程度に差はあるにしても)ほとんどの人が伝えたいことを意図したとおりに伝えることができてしまいます。
これは人間が生きる上で当たり前に必要な能力であり非常に便利なことなのですが、思いつく限りの言葉を駆使して意図的に他人を傷つけてしまう人がいるのは事実です。
また、意図していなくても無意識のうちに発した言葉が誰かを悲しませてしまい、後悔した経験がある人もいるかもしれません。
他言語に置き換えて考えてみます。
英語を流暢にしゃべれない人が、英語を通じて誰かに冷たい言葉を投げかけた経験はありますか?ほぼ【ゼロ】なんじゃないでしょうか。
日本語ではかなり攻撃的な言葉を使っていた人でも、他の国に行くとその攻撃性は一時的に失われますよね。伝えるための言葉を持ち合わせていないからです。
語彙力が上がれば上がるほど、伝える力=言葉が与える影響力が増すのです。
外国語を学ぶときにも、このことを常に心に留めておく必要があると思います。
毎日1つ、優しい言葉を
英語は「意思疎通のためのツール」だという点で、学校で勉強する他の教科とはまったく違った重要性があります。
学校や資格試験で学ぶ英語は、気持ちを伝えるというよりも、どちらかと言うと文法力や読解力を鍛えるためのものです。
それら従来どおりの英語学習はもちろん続けていく必要がありますが、それに加えて私がおすすめしたい事をここに紹介させてください。
どの英語レベルの人でも、少しの時間や手間でできることです。
1日1つ、大切な人にかけてあげたい英語の言葉を頭にインプットしてみてください。
すごくシンプルで、簡単なもので問題ありません。
“I’m glad to have a good friend like you.”
あなたのような友達がいてくれてよかった。
“I am truly happy to have been able to meet you.”
私はあなたに出会えて本当に幸せ。
“You’ll never know how much you mean to me.”
あなたの想像以上に私にとってはあなたが大切だよ。
Google翻訳で日本語を打ち込んでも十分に精度が高い英語が返ってきますし、ネット検索で入れてみても、信頼できそうなサイトにサンプル英文が載っていたらそれを使えばOKです。
このインプットの目的は、文法的な正しさを身につけることではなく、心のこもった言葉を必要なときに相手に伝えるためのものです。
傷つけるのも「言葉」、前向きになれるのも「言葉」
生きていればイライラすることもありますし、溜まった感情をどこかにぶつけたくなるときもあるでしょう。
人はネガティブな内容にさらされるとそちらに思考が引きずられ、悪循環に陥ってしまいがちです。
心がほっとするような言葉を自分から検索したり、口に出してみることを毎日のルーティンにしてみるだけで、一日の終わりに気持ちがガラッと変わると思います。
人を励ましたり元気づける言葉はどれだけ覚えても無駄になりません。
特に英語の場合、いざという時にかけてあげたい言葉が出てこなければ、伝える機会を失ってしまいます。
上で紹介した内容であれば5分くらいでできると思いますので、1日1つ、その日に思いついた温かい言葉を検索して、単語を覚えるのと同じ要領で頭に入れてみてください。
いま、考えるべきことは
完璧な人間などこの世にいません。失敗したり後悔したりすることだってあるでしょう。
大切なのは、言葉を発する前に少しの想像力を働かせること。
いま、改めてひとりひとりが『言葉の重み』について考えるべき時だと思います。
今回の記事は、これまでに「英語」という言語に関する発信をしてきた立場から書かせていただきました。
本当は、英語を話すときにはごちゃごちゃと難しく考えすぎるのは上達の障害になって良くないというスタンスでしたが…
世の中が変わり始めている今のタイミングに記しておくべきことだと思った次第です。
英語を通じて世界と繋がることは、ポジティブな側面しかないと思われがちですが、繋がれる人が増える分、発する言葉に対する責任の範囲も広がります。
これから英語を学ぼうと思っている人も、これまで学び続けてきた人も、『言葉』が人の心(精神)に与える威力をもう一度考え直す機会ではないでしょうか。
日本語でも英語でも、ほかのどの言語でも。
人に優しい言葉を大切にしていきたいですね。