英検1級のライティング問題の攻略法としては、「事前にエッセイをたくさん作って暗記」という方法がいいですよというお話を別の記事で何度か書きました。
そうは言っても、エッセイ作りに時間がかかる!書き方を詳しく知りたい!と思っている方もいるかと思います。
そこで今回は、効率よく英検1級用の英作文を効率的につくる具体的な手順について、事細かにお話ししていきます。
独学で一発合格
(Writing得点率:86%)
英検1級のライティング問題(英作文)【完全ガイド】
英検1級のライティングで出題されるトピックを予想することは非常に難しく、時にマニアックな内容が出ることもあるため、事前にあらゆる話題に触れておかないと本番で困ることがあります。
ライティングは1問しか出題されず、知識がないトピックが出たら全く書けずに終わってしまうため。
ライティングは一次の筆記試験の配点の3分の1のウェイトを占めていまして、この1問がボロボロだと合格には届きません。
逆に、1級受験者にはありがたい情報もありまして、、ライティング問題の採点は甘い!といろんな所で言われているんです。
実際に私が受験した時もこれは感じましたね。何かしら書くことができればそれなりの点数が取れるのは間違いありません。
幅広いトピックの問題を書く練習をしておけば、本番では何とかなる!
確実な突破法は、対策期間中にできる限り多くのジャンルのエッセイを大量生産する方法なのです。私は実際に、この方法で合格できました。
大量生産する時の注意点ですが、一つのエッセイに時間をかけていては他のパートの勉強に支障が出ます。
今回の記事では、効率よく完成度の高いエッセイを作る方法を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
エッセイ作成時に用意するもの
短時間で効率よくエッセイを作る方法は、とにかくネット上にある情報を拾い集めることです。
用意するもの
今から説明する方法では、ネット環境が必要になります。
- パソコン(←おすすめ)もしくはスマホ
情報収集だけならスマホでできますが、エッセイを書く時にはやはりパソコンでやるのが編集もしやすく便利です。
- スペルチェック
- 文字カウント
私は上記を備えたWordを使ってやっていました。
エッセイ作成時は、紙とペンは一切使っていないです。
作った後に直したり再利用することがしょっちゅうなので、電子データでないとかなり不便だからです。
ただ、本番は手書きなので、直前に時間を計って手書きする練習はしました。
必須ではないけどあると便利なのが対策本
また、手元に対策本があった方がやりやすいです。私は以下の2冊を使いました。
王道なのは[右]の旺文社の対策本の方ですが、左の面接対策本も相当優秀です。
- エッセイにふさわしい1級レベルの単語やフレーズを知れる
- (丸写しは良くないけど) 部分的に意見を使える
これらの点で個人的に役立つと感じたのは、掲載トピックが多い『大特訓』(写真左)の方でした。
なお、最近(2019年第2回)の英検1級ライティング問題「宇宙開発はコストに見合うか」に似た問題も、この本で”英作文”問題としてバッチリ載っていました。
サンプルエッセイ+全文訳に加えて詳しい解説もありましたので、この対策本で勉強していた方は宇宙トピは相当ラッキーだったと思います。
▼こちらの対策本です▼
二次対策にもそのまま使えるというのもコスパが良いです。
エッセイの書き方
既にご存知の話もあるかもしれませんが、順を追い詳しく説明していきます。
エッセイの型【英作文の基本】
英検1級のライティング問題は以下の指定があります。
- Give THREE reasons to support your answer.
- Structure: introduction, main body, and conclusion
- Suggested length: 200–240 words
つまり、以下のようなエッセイの型に当てはめていくことになります。
introduction (序論) | ①段落 | 【意見の主張】 主張に加え、TOPICの背景や前置きを入れる。 (2~3文程度) |
main body (本論) | ②段落 | 【理由3つ】 段落ごとに1つずつ理由を書く。 (各段落、2~3文程度) |
③段落 | ||
④段落 | ||
conclusion (結論) | ⑤段落 | 【主張の再確認】 主張を①段落とは違う言い方で再提示し、「本論」の内容をまとめる。 (2~3文程度) |
※文の数は目安です。最終的に200-240語になるよう調整してください。
この型を意識してどんどん作っていきましょう!
トピック選び
ニュースで話題になったことが出る可能性が高いと言われたりもしますが、私がこれまで見た限りでは「そういう回もあるけど、全然関係ないマイナートピックの回もあるよなぁ…」という感じで。
ピンポイント予想はかなり困難です。
2018年試験のオリンピック問題の回の受験者なんかは超ラッキーだったと思いますが、その直後の回の「人文科学の学位は今日の世界においてその重要性を失くしているか」なんかに当たってしまった人は大変お気の毒的なムードだったのは記憶に新しく。。こればっかりは、やはり絶対に受かりたかったら満遍なく知識をつけておくしかないかなと(汗)
↑この記事の最後に『二次面接トピック100』を掲載していますので、エッセイで書く話題の参考にしてください。
一次のライティングと二次の面接では解答方法が違うだけで、トピックは似たようなものです。そのため、面接の過去問トピックから拾っていただいて全く問題ありません。
Introduction (序論)
まずイントロダクション(序論)ですが、使い回せる雛型をどんどん再利用していくのが効率的です。
例えば、以下のような感じですね。
There have been a lot of discussions and debates about 〇〇. While some say that it has negative impacts, I believe that the advantages outweigh the disadvantages.
Main Body (本論)
本論の部分は、対策本がある方はそこに載っている内容を参考にして、さらにネットでも海外の情報を集めていきます。
個人的には、検索に使用するのはGoogle一択かなと思ってます。
理由は、検索エンジンとして最も優れているからというだけでなく、使いやすい機能もあるからです。
- 「(キーワード)」
+「essay」「debate」 - 「(キーワード)」
+「advantages」「disadvantages」 - 「(キーワード)」
+「pros」「cons」
たとえばAI系のエッセイの情報を得たい場合には「artificial intelligence essay」と入力してみます。
↑するとこのように海外のエッセイがずらっと並びます。
英検1級のエッセイは、日本の話をするのではなくグローバルな視点で述べる必要があるため。
※「日本では〇〇か?」と問うトピックを除く。
ここで重要なのが、検索順位が上位のものが数年前の古い記事の可能性があるという点です。
一般的な意見を書く分にはそこまで影響はないかもしれませんが、時事や社会問題については、より新しく確度の高い情報を見極めて拾う必要があります。
Google検索で期間を指定する方法
Google検索で期間を指定していきます。
【PC 検索画面】
①ツール → ②期間指定なし▼ → 検索したい期間をクリック
【スマホ 検索画面】
スマホでは、検索欄のすぐ下に [画像] [動画] [地図] などを選ぶタブを一番右にスクロールすると [検索ツール] というボタンがあります。
検索ツールをクリックすると、期間指定ができます。
あまり短い期間にしてしまうと十分な量の情報から選択できなくなるので、「1年以内」ぐらいでOKだと思います。
自分の英文が正しいかどうかもネット検索で分かる
ネット検索機能を使って自分が作った英文が正しいかどうかを判断する方法はとても便利です。
❝ ❞ ←クォーテーションマークで囲んで検索する
クオーテーションマークを入れると、検索語がそのまま使われている結果だけがヒットします。
たとえば、「エラーの発生率を下げる」を英語で書きたいとします。
「“enable error rates to decrease“」とGoogle検索で入力してみます。
↑このように「一致がありません」と出るので、この表現が間違いだとわかります。
「“decrease error rates“」と言い方を変えて検索します。
すると1万件以上がヒットしたので、この表現はよく使われているとわかります。
ネットで情報収集するときの注意点
一つのサイトからそのままエッセイを使うというよりも、自分の知らない情報を集めたり、意見を書く上での参考にするというやり方が良いと思います。
1つのエッセイを書くのに複数のサイトを見ることになると思いますが、エッセイ全体に統一感を持たせるのは意識して書いてください。理想はコピペではなく自分の言葉に置き換えることです。
細かい話ですが、「この単語には a / the をつけるべきか?」と悩むこともあるでしょうが、複数の海外サイトを見ればそれがすぐにわかりますので、英文のクオリティを上げるのにも役立ちます。
Conclusion (結論)
Introductionの内容と矛盾しないように、最後の段落でまとめを書きます。
“For the above three reasons, I believe that … “などの決まった文句で締めればOKです。
- 内容の再確認・まとめ
- 文字数の調整
Conclusionはそこまで減点ポイントにはなりませんので、Introduction + Bodyでしっかり主張を述べられていれば時間をかけて考える必要はありません。
本番では、最後の段落の前にサッと文字数を数え、Conclusion(結論)で調整をするのがいいと思います。
【参考】AIのエッセイ
この記事を書きながら作ったエッセイを一応載せておきます。
TOPIC: “Do the pros of artificial intelligence outweigh the cons?”
There have been a lot of discussions and debates about artificial intelligence (AI). While some say that it has negative impacts, I believe that the advantages outweigh the disadvantages for the following reasons.
Firstly, AI-powered tools can increase accuracy. Humans naturally make errors in their work no matter how carefully we check data. AI, however, can automate certain tasks in business and handle them without any distraction. This will decrease error rates and save companies from additional costs that are caused by human errors.
Secondly, AI can help with decision making because machines do not have emotions and opinions. AI can do things like predicting financial trends, pulling analysis for rolling out a new product and solving customer service issues all much more quickly.
Finally, AI and robots can help provide care for the elderly. The shortage of caregivers is a global problem as many developed countries have a declining birthrate and human beings come to live longer. With a shortage of personnel in the care field, AI and robots will be ideally suited to aid seniors with walking, exercise, physical support and guidance, and even companionship.
In conclusion, for the benefits mentioned above, reduction in human errors, making faster decisions and contribution in caregiving, I believe that development in artificial intelligence can play a vital role in the future for humankind. (222語)
3つ目の根拠がロボットの話でAIとは若干ずれているかもですが、、社会問題っぽいことも触れておこうかと思って入れました。
本番までにたくさんのエッセイを作るのがオススメ
今回の記事で紹介したやり方で、ネット検索を使ってエッセイを量産するのが効率的です。
エッセイ作成の過程でさまざまな情報に目を通し文章を組み立ることになり、それだけでも知識はつくはずです。
ただ、本番では25~30分程しかライティング問題に割けないので、スラスラ書けるレベルに持っていくためにざっとでも「暗記」をしておくのがベストだと思います。
万全の対策をすれば高得点が狙える英検1級ライティング。一次試験の中でも特に対策に力を入れることをおすすめします。
★英検1級関連の記事は以下にまとめて掲載しています。