英検1級のリスニング問題は、単語や英文自体のレベルはそれほど高くありません。
それでも多くの人にとって難易度が高い理由は、主に以下だと思います。
- 一度に読まれる量とスピードに思考が追い付かない
- 一回しか放送されないため考える時間が短い
- 本文の意味を理解できても正しい解答を選べない
これらの点を解決するには、1級に特化した勉強法やテクニックを身につけることです。
今回の記事では、リスニング問題の勉強法や効率の良い解き方、本番での注意点についてもお話ししていきます。
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英検1級リスニング対策【勉強法】
リスニングに必要な聞き取り能力はすぐに劇的に上がるわけではないので、早い段階から1級で流れる英語のスピードに慣れておく必要があります。
まず一度、過去問1回分を解いてみて問題のレベルと傾向をつかみましょう。
● 1級の過去問 – 英検協会のサイトより
※上記サイトには、英検1級の最新の過去問が3回分掲載されています。
リーディング同様、リスニングは本番で出題されるのと同じ形式の問題に触れるのが最も効率的で意味のある勉強法です。
オススメの参考書
私が1級対策に購入したのは以下の参考書で、こちらはリスニング対策に非常に役立ちました。
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- 過去問がしっかり分析された内容だから
- 収録されている問題数が多いから
- 「解説」から解き方のヒントをつかめたから
本番で落ち着いて一問一問に対応するには、1級に特化した問題の量をたくさんこなすのが重要です。
私は上の参考書を2周やりました。
1回目は自分の実力試し、2回目は効率よく問題を解くためのテクニックを身につけるためです。
また、本文は聞き取れても選択肢から正しい解答を選ぶことができなければ結果はついてこないので、この問題集には解答の導き方も説明されているのは有難かったです。
耳を鍛えるためにオススメのサイト
私が上記のテキスト以外に日常的にやっていたのは、海外ドラマを観たり無料で英語を聞けるサイトVoice of America-Englishを聞くことです。
※記事をクリックすると、途中に再生できる動画が埋め込まれておりそちらから聞けます。
アメリカ以外の話題も扱っていますし、リスニング時間も3分程度と取っつきやすかったので、他のパート(ライティング等)の勉強に疲れたときに聞くようにしていました。
このような海外ニュースの音源は、1級リスニングよりも聞き取りづらい部分があり、話し手の発音等のバリエーションがあることから、1級の問題の方が簡単に感じられるというメリットがありました。
リスニング問題のおすすめの解き方【重要な3点】
英検1級の難しいところは、何と言ってもたった一度しか読まれないことですね。
試験の緊張の中、一発で完璧に聞き取って正しい答えを選ぶには相当な集中力が必要です。
そこで、個人的に1級リスニングを攻略するにあたって有効だと感じている解き方について解説していきます。
- 問題を先読みする
- (Part 4以外) メモは極力とらない
- 途中で迷って思考が引きずられるのはNG
①:問題の先読み
1級試験は時間が足りないと感じる人が多いと思いますが、少しでも時間が残ったのならリスニング問題の先読みをすると良いですね。
これこそが、「一度しか読まれない」試験に対応するための攻略法だと考えます。
問題に(可能であれば選択肢も)ざっと目を通し、キーとなりそうな単語に印をつけておくと実際に解く時に便利です。
※Part 3のみ直前にSituationとQuestionを読む時間が与えられます。
②:メモにこだわりすぎないこと
1級レベルのスピードと内容だと、「メモを取る」という行為が逆効果になる可能性があります。
メモを取りながらも次に読まれる英語がしっかりと頭に入るタイプの人は問題ありませんが、そうでなければメモよりも真剣に英語を聞いた方が内容の理解につながります。
ただ、Part 4はあまりにも本文が長いため、メモがあった方が便利かもしれません。(私はPart 4のみメモを取りました。)
このあたりは、過去問を解きながら自分にとって最適な解き方を模索していくのが良さそうです。
③:迷ったり悩んでもすぐに忘れて次へ!
リーディングにも言えることなのですが、迷った問題に時間をかけて考えたからって正解が出せるとは限りません。
特にリスニングの場合、受験者の思考とは関係なくどんどん先へ進んでしまうので、いったん頭と手が止まるとその後の問題にも影響が出てしまいます。
迷ったとしても次の問題が始まったら瞬時にコレだと思うものを塗りつぶし、その後は切り替えて次の問題に集中しましょう。
試験会場が自由席の場合には、なるべく前の方の席に座ってください。
会場が学校の場合、前の教壇に置かれたスピーカーから流されるのですが、後ろの方の席だと音が飛んでしまい聞こえづらいという問題が起こってしまうためです。
各Partごとの対策法
ここからは、英検1級リスニングの具体的な対策法として、各Partの出題形式に沿った解説をしていきます。
Part 1
出題形式 (Part 1)
男女(2~3人)による会話とそれに関する質問を聞いて答えるもので、口語表現の聞き取りが基本です。
内容は日常的な話題から政治・ビジネス関連と幅広いです。
注意点 (Part 1)
正解となる選択肢では、本文で使われている語句の言い換えになっている場合が多いです。逆に、不正解の選択肢に本文中の語句がそのまま使われていることもあるから、すべて読まずに解答を急ぐのは危険です。
対策法 (Part 1)
ビジネスの場面の会話が全体の3分の1ほどを占めるので、過去問や参考書に出てくる基本的なビジネス用語全般を押さえておくと安心です。
日頃からネイティブの日常会話を聞いている人であればこのパートはすんなり聞き取れると思います。海外ドラマや洋画などの方がはるかに難しいので、それらで訓練するのも対策になります。
Part 2
出題形式 (Part 2)
200語程度の長めの英文を聞いて内容に関する質問の答えを選ぶ問題です。英文の難易度が最も高く、このパートが特に苦手という人は少なくありません。
トピックの内容は、ある分野での最新の話題に関するものや、テレビやラジオの番組の一部を切り取ったようなものまで多岐にわたります。
注意点 (Part 2)
難しそうな内容が続きますが、専門的な知識がなくても英語さえ聞き取れれば十分に理解できるものですので、長めの英文を聞き取る集中力が必要になります。
聞き慣れない単語が出てくることもあると思いますが、一つの単語に気をとられずに全体をしっかり聞くことが大切です。
対策法 (Part 2)
できたらPart2は事前に問題文だけでなく選択肢にも目を通しておければ、本文を聞いたときの理解度がかなり上がると思います。
また、Part2は単語力がある人や英語を読む力が高い人が有利なパートです。リスニング以外の対策もしっかりやっておくことで、結果的にリスニング対策になりますね。
Part 3
出題形式 (Part 3)
問題用紙に印刷されている30語程度のSituationとQuestionをあらかじめ読む時間が与えられます。
留守番電話、アナウンス、ラジオ放送のように実生活で耳にする英語を想定したReal-Life式の問題です。
注意点 (Part 3)
他のPartと比べて易しめな問題ですので、ここは取りこぼしがないように気を付けたいところです。
放送には効果音がついていますが、それに気をとられないようにして英文に集中しましょう。
対策法 (Part 3)
事前に与えられる時間には、選択肢までしっかり目を通してキーワードを確実に拾うのが重要です。
「~の場合は〇〇を」や「~の人は〇〇してください」といった呼びかけの表現がポイントになるので、選択肢等から問われるであろう点に注意して聞く練習をしておけば問題ありません。
Part 4
出題形式 (Part 4)
ラジオのMCがゲストにインタビューする形式で、1問につき英文が600語程度と非常に長いです。
インタビューを受ける人の職業や活動に関するものが多く、英文の難易度はそれほど高くありません。
注意点 (Part 4)
スタンダードなアメリカ英語には限られず、さまざまな国の発音・アクセントが出てくるのがこのPartの特徴です。普段からアメリカ英語以外にも耳を慣らしておくと安心です。
また、言葉につまったり、文の形ではなく単語やフレーズで答えたりと、生の会話ならではの聞き取りにくさがあります。
対策法 (Part 4)
質問内容が予測できないと、長いインタビューを聞いている間にポイントが絞れずにただ漠然と聞くだけになってしまいます。
質問内容はほぼ固定化されていて、「仕事の具体的な内容」「なぜその仕事に就いたのか」「その仕事の良い点・悪い点」「その仕事を目指す人へのアドバイス」などです。
Part4は問題数も2問と少ないので、事前に選択肢をざっと読み上記のポイントを注意深く聞き取れば解答にたどり着けます。
まとめ
リスニングもリーディングと同じで、過去問に慣れれば慣れるほど高い点数が取れるでしょう。
「英語を聞き取る」能力だけでなく、「正しい解答を導く」コツを身につけることが大事ですから、英検1級のレベルと内容にあった問題の量をこなすのがおすすめです。
個人的には、集中力や焦らない精神といった要素も非常に重要だと感じました。また、先読みをする時間的な余裕もリスニングで得点を上げる鍵になります。
各Partの傾向をつかみ、本番で慌てずに解けるように対策しておくと良いと思います。
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