英検1級の長文問題は、以下の理由で対策に苦労する人が多いです。
- 内容がとっつきにくい
- 制限時間内に読むには量が多い
- 本文は読めたと思っても解答を導けない
読解は少しやったところですぐに伸びるわけではないため、勉強の力の入れ方に悩む人もいます。
英検1級の「合格」だけを目的としているのなら、1級のレベル・内容に沿った類問を解きつつ得点力を上げるのが最も手っ取り早い対策法です。
今回の記事では、英検1級の長文読解対策【リーディング勉強法】についてお話ししていきます。
2ヶ月半の対策で英検1級一発合格(独学)
【英検1級】長文読解は過去問で慣れるのが一番
まず始めに注意点ですが、効率よく対策するには長文に入る前に「単語」を先に終わらせた方が良いです。
なぜなら、数は多くないにしても長文問題に1級単語帳レベルの難しいものが出ることもあるからです。
↑単語対策はこちらの記事で詳しく解説していますので、よろしければ参考にしてください。
英検1級のリーディング対策のために「英字新聞を読むべき」などと言われたりもしますが、もちろん本質的な英語力を上げる勉強法としてそれも素晴らしいことですが、1級対策としては遠回りになります。
結論:英検1級のリーディング(長文読解)対策は過去問でやるのが一番
1級の長文読解の勉強をするにあたって、まず最初にするべきことは問題の傾向をつかむことです。
- 出題ジャンルと傾向
- 設問文や選択肢のパターン
- 素早く正しい答えを見つける方法
英語の長文試験というのはある程度テクニックによるところも大きく、読解力だけを鍛えていても不十分です。
特に難易度の高い1級リーディングに関しては、本番と同じレベルの問題を解きながらで練習することこそが対策になります。
英検1級【過去問】での勉強方法
英検1級の過去問は、英検協会の公式サイトに最新の3回分だけ掲載されています。
>> 1級の過去問・対策 – 英検協会のサイトより
私は最初のうちは上記のサイトの問題で勉強していたのですが、日本語の訳や解説がなく「解くだけ」で終わってしまったので、過去問題集を購入しました。
↑過去問6回分、英検サイトとはかぶっていない回のものが収録されています。
つまり、サイトの過去問3回分とあわせてこちらをやれば9回分の問題を解くことができます。
- 長文の全文訳が載っている
- 重要な語句がピックアップされている
- 答えを導く考え方の解説が充実している
長文対策はもちろん、リスニングや二次試験など他のパートの勉強にも非常に役立ちました。
英検のサイトに掲載されている過去問は本番直前の模試用に残しておき、普段の対策を過去問題集でやることです。
過去問での勉強方法
それでは、過去問を使った長文問題の勉強方法について、具体的に説明します。
①:時間を計って解くのが大事
1級の筆記試験は時間との勝負になるため、勉強のときにも時間を計ってスピード感をつかむのが大切です。
- 大問2:読解穴埋め2問【15分】
- 大問3:読解内容一致3問【40~45分】
のんびり解いていたらこの時間内に読み終わるのは難しいと思いますので、ポイントとなる文を正確に、速く読む練習が必要になります。
②:効率の良い設問の解き方を知る
解きやすい方法は人によって異なりますが、私が効果的だと感じている長文問題の解き方を紹介します。
1.タイトルをちゃんと読む
タイトルだけでは内容は想像つかない場合もありますが、長文の内容を端的に表している言葉ですので、必ずしっかり確認しておきましょう。
2.全ての設問にざっと目を通す
本文を読む前に問題をざっとでいいから見ておくのがオススメです。 (注意: 選択肢まで読む必要はありません。)
このとき、キーになるワードに印をつけておくと、本文を読みながら設問をチラッと見たときにわかりやすいと思います。
じっくり読む必要はなく、「人の名前」や「5W1H」など、何を問われているかを大まかに把握するだけでOKです。
3.本文を読み、該当箇所が見つかれば選択肢にいく
全部の設問の順番どおりに本文が進むわけではありませんが、とりあえず最初は1問目の解答を探すのを目的に読み進めます。
答えに該当すると思われる部分を見つけたら、設問の方にいって選択肢を読んでいきます。
設問文や選択肢が本文の言い換えになっていることが多いので、その部分を注意深くチェックすると答えが見つかりやすいです。
③:解答・解説を丁寧に確認する【重要】
全問題集がある方は、解説をすみずみまで丁寧に読むのがおすすめです。
そこに解き方のヒントがつまっています。じっくり時間をかけて自分の理解が正しかったかを確認します。
詳しい解説が手元に無いという方も、本文の中でわからなかった単語をチェックするのが大事です。
長文内の単語レベルはそこまで高くなく、1級受験には必要な知識の集合です。文脈から意味を類推できた場合も念のため単語単位で確認しておくといいと思います。
過去問以外のリーディング対策
今回はリーディング対策のお話なのに恐縮ですが、個人的には1級の一次試験に合格するにはリーディングよりもライティングの対策に時間をかけた方が合格率が上がると思っています。
- リーディング:読解力は一朝一夕に上がるものではない (単語力は別)
- ライティング:対策に力を入れれば高得点が期待できる
私の場合、2ヶ月半の対策期間のうち長文対策は15%に満たないぐらいの勉強量で、ほとんどの時間を単語の暗記+ライティングに注力しました。

結果、その対策法が当たって一度の受験で合格できたわけですが、「過去問だけでは不安だから何か他の対策をしたい」という方もいると思います。
ここからは過去問以外で対策するのにオススメの無料サイトを紹介します。
良質な英文がまとまっているサイト
Harvard Business School (ハーバード大学の経営大学院)のサイトでは、英検1級レベルに合った良質な英文が多数掲載されています。
中でもおすすめしたいのは、”FEATURED TOPICS”というタブの中の各ジャンルの記事をまとめたページです。

画像:Harvard Business School (Faculty and Research)より
ご覧のとおり1級で出題されるようなテーマも並んでいますので、興味のある分野でリーディング対策ができます。
少々マニアックな内容のものが多いですが、それほど長くない英文で、語彙のレベルも高すぎず読みやすいサイトです。
隙間時間の多読におすすめのアプリ
『POLYGLOTS』という英語学習アプリでは、様々なジャンルからピックアップされた15分ほどで読める記事が掲載されています。
リーディング対策をそのまま1級試験に役立てる方法は、わからない単語に出合ったらその都度覚えていくことです。
記事の中のわからない単語をワンタップ辞書で確認できる
▶︎『POLYGLOTS』を App Store | GooglePlay でダウンロ-ド
無料で利用することができます。(目的に合わせた有料プランもあり)
こちらのアプリ内の記事は、精読ではなく「多読」向けです。幅広いジャンルの記事を読んで数多くの単語に触れるのが良いと思います。
まとめ
英検1級向けの読解学習は、過去問を使って傾向をつかむことを目的として進めるのが最短で受かるポイントです。
過去問で勉強する際には、当日と同じように時間を計り、(解きっぱなしではなく)わからなかった単語のチェックや設問と本文を読む順番のコツをつかむ必要があります。
リーディングが特に苦手という方は時間をかけて対策するべきだと思いますが、そうでない場合は他のパートに力を入れるのも戦略としては良いのかなと思います。
★英検1級関連の記事は以下にまとめて掲載しています。
