英語は国・地域で発音が異なり、旅行先や海外の番組を見ているときなどに慣れない英語に戸惑う日本人は少なくありません。
日本の学校で学ぶ英語は基本的にアメリカ英語です。発音について特に意識せず勉強している人でも、アメリカ英語以外にも慣れておきたいところです。
たとえばTOEICのリスニングではイギリス英語を含む多様な発音の英語が出題されます。
今回の記事では、自然とアメリカ英語に慣れている日本人にとって聞き取りづらいと感じる『イギリス英語』の発音についてお話ししていきます。後半ではオススメの動画作品を厳選して紹介していますので、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
イギリス英語の発音の特徴は?アメリカ英語との違いを知る
洋画や海外ドラマを観ていると、「この人の英語の発音、なんか聞き取りづらいかも?」と感じることがあるかもしれません。
アメリカ英語とイギリス英語の2人が会話しているシーンの動画で、発音の違いがわかりやすいものがこちらです。
↑こちらは映画『プラダを着た悪魔』の冒頭シーン。
- アンドレア(黒髪):アメリカ英語
- エミリー(赤髪):イギリス英語
案内役の女性エミリーの発音(イギリス英語)の方が聞き取りにくいと感じた方は、まさにアメリカ英語に慣れているということですね。
もう一つ、映画『Love Actually』から、まさにイギリス訛りが話題になっているシーンを。
- 女性全員:アメリカ英語
- 男性:イギリス英語
1:10あたりから、「bottleとstrawのイギリス英語がキュート!あ、でもtableは一緒なのね。。」というくだりがあります。
イギリス英語の発音の特徴
イギリス英語の発音がアメリカ英語とどう違うかについて、一部の音を取り上げて紹介します。
T の発音
イギリス英語で一番特徴的な音が「T」です。
「T」の音は、アメリカ英語だと「D」の音になることが多いですが、イギリス英語ではしっかり「T」として発音されます。
例えば、アメリカ英語ではwriter[ライター]がrider[ライダー]と同じように聞こえる場合がありますが、イギリス英語だと[ライター]と「T」の音をしっかりと発音します。
A の発音
イギリス英語の「A」の発音は、そのままカタカナの「ア」の発音です。
アメリカ英語だと「ア」と「エ」の間の音と習ったかと思いますが、イギリス英語の方が日本人が発音しやすいですね。
can’tの発音がわかりやすく、アメリカ英語では「キャント」と発音しますが、イギリス英語では「カーント」です。
R の発音
イギリス英語での「R」は、後に母音が続く場合以外は発音されません。
よく日本人が舌を巻く「R」の発音に苦戦しますが、イギリス英語だとその必要はありません。アメリカ英語とイギリス英語で印象が大きく変わるのは、この「R」の違いによるところが大きいかもしれませんね。
doorがアメリカ英語だと「ドーア」と舌を巻くのに対して、イギリス英語では極端に言うと「ドー」のような感じです。
イギリス英語の発音に慣れよう!オススメの動画
イギリスが舞台の作品を選べば、イギリス出身の俳優による生の英語に触れることができます。
イギリス英語の発音に親しめるオススメの映画・海外ドラマ・YouTube動画を紹介しますので、気になるものをぜひチェックしてみてください。
イギリス英語のおすすめ【映画】
まずは、厳選の映画を2作品ご紹介します。
英国王のスピーチ
吃音に悩む英国王ジョージ6世が周囲の力を借りながら克服し、国民に愛される王になるまでを描く実話に基づく感動作。弱みや欠点を抱えた一人の男の人間ドラマと、実話ならではの味わい深い展開が見どころです。
本格的な発音のブリティッシュイングリッシュが学べる反面、慣れないと聞き取りの難易度が高いと感じるかもしれません。
英語を勉強している人の中には、「自分の拙い英語を聞かれるのが恥ずかしい…」と思ったことがあるのではないでしょうか。どこがわからないのか、どこを直せばいいのかを探し出し、問題点の解決に集中すれば自信がつけられるということをこの映画が教えてくれます。
世界一キライなあなたに
作品タイトルとサムネイル画像に騙されて、「どこにでもありそうなラブストーリーでしょ」なんて思う方もいるかもしれませんが、そうじゃないのです。
人生というものについて深く考えるきっかけになる、ある意味、衝撃的な映画です。
イギリスの田舎町でバイトをクビになったばかりの主人公ルーが、新たにに見つけた仕事は自動車事故で車椅子生活を送る名家の一人息子ウィルを介護することでした。やがて二人は恋に落ちるのですが、あるときルーはなぜこの仕事が6ヶ月の期間限定なのかを知ってしまい…。
英語のレベルは標準的で学びやすく、イギリス英語に親しむのに適した映画だと思います。
イギリス英語のおすすめ【海外ドラマ】
続いては海外ドラマ。こちらも英語学習に使える2作品を紹介します。
シャーロック / SHERLOCK
コナン・ドイルの名作『シャーロック・ホームズ』を現代版に大胆にアレンジした推理ドラマです。
現代のロンドンを舞台に、天才的な推理能力を持つシャーロックが相棒のワトソンと一緒に事件を解決していきます。
主人公のシャーロックが使う単語はハイレベルで早口なためリスニングには苦労するかもしれませんが、英国が舞台のスタイリッシュなドラマとして特にミステリー好きにはおすすめです。
1シーズン3話(全3シーズン)でエピソード数は少ないですが、私は過去にこのドラマにどハマりし、英語学習もかねて5周くらい観ました。何度も聞いているとイギリス英語が耳に慣れてきます。
ダウントン・アビー
イングランド郊外にたたずむ大邸宅『ダウントン・アビー』で暮らす貴族グランサム伯爵一家の内情を、センセーショナルかつ当時の社会背景を盛り込みながら描いた歴史時代劇です。
相続問題をめぐる上流社会の愛憎渦巻く人間関係や、階級制が存在するいわば格差社会の縮図とも言うべき邸宅の様子は、エンターテイメント性もありつつ社会派の要素も色濃く見ごたえがあります。
日常的な会話が中心にすすむ本作は、イギリス英語のドラマで英語学習をしたい人にとって特に優れた素材だと言えます。
イギリス英語のおすすめ【YouTube動画】
YouTubeでは、10分程度の短い尺でテンポ良くイギリス英語に親しむことができます。
イギリスのチャンネルでオススメなのが、Oxford Online English。
日常生活で使える表現から職場での会話に役立つものまで幅広い英語が学べます。
チャンネル登録者数は140万人を越え、世界中の英語学習者から支持を集めています。
まとめ
最初はとっつきにくいと感じるかもしれませんが、実はアメリカ英語よりも日本人が発音しやすいのがイギリス英語。
英語の発音に慣れてくると違いがハッキリ分かるようになり、ますます英語の奥深さを知ることができます。
映画やドラマ、YouTube動画などで現地の人の生の英語を聞きながら慣れていくのがおすすめです。
気がつくとアメリカが舞台の作品ばかり見ていたという方も、ぜひ一度イギリスの作品にも触れてみてください。