世の中のありとあらゆる成功ルールを検証した全米ベストセラーに『残酷すぎる成功法則』という本があります。
その中で、退屈な仕事を続けることによる健康リスクについて以下のように書かれています。
2010年のギャロップ調査によると、疎外感を覚えたり、感情移入できない職に就いている人は、失業状態にある人より幸福度が低い。
スウェーデンの就業者を対象とした調査では、単調な仕事は心筋梗塞の発症リスクを高めることが明らかになっている。
昔からの日本の風潮として、「仕事はつらくて当たり前」と考えられているところがありますが、苦痛な状態のまま長いこと耐え続けることは個人にとってリスクでしかありません。
今回の記事では、退屈だとか苦痛だと感じない仕事を探す方法についてお話ししていきます。
嫌ではない仕事を見つけて生きる【好きなことにこだわる必要なし】
「好きな仕事で生きていこう!」という言葉をどこからか聞いたことがあるかもしれません。人間は好きなことをする時には生産効率が上がるので、好きを仕事にするに越したことはありません。
ところが、好きなことにそもそも市場価値が無ければお金を稼いでいくのは難しいですし、個人が置かれている環境や能力の有無によって実現できないこともあります。
より多くの人が実現しやすい働き方としては「嫌ではない仕事を選ぶ」ことが現実的です。
これから仕事を見つけたいと思っている人や、今の仕事に不満がある人が考慮すべき点として「その仕事は自分にとって苦にならないか?」を考えてみることをおすすめします。
嫌ではない仕事を見つける方法
それでは、具体的に嫌ではない仕事を見つける方法です。
定期的に自己分析をする
真剣に自分のことを分析する機会は就活中の学生でもない限りなかなかありませんが、私は年に一度くらいは徹底的にやっておくべきだと思っています。
今の仕事が嫌ではないか?
- 嫌ではない → 現状維持でOK。
- 嫌だ → このまま続けていくべきか?
そもそも今の仕事が嫌ではないのなら、それでお金を稼げているのは幸運なことですので現状のままで問題ないと思います。
ところが、人間には❝現状維持バイアス❞といって、(嫌だと思っていても)行動することで将来が良くなるかどうかわからないから現状のままを好むという習性があります。
この現状維持バイアスから抜け出さなければ「嫌だ」という状況から一生脱することはできません。そのためにも、定期的に自己分析をして本当にこのままでいいのか?と問うことは必要だと思います。
情報に敏感でいる
情報が不足している人は、世の中の流れや仕事の選択肢に気づかないことがあります。
ありがたいことに今の時代、ネットやSNSで有益な情報を発信してくれている人はたくさんいますので、さまざまな情報に触れて視野を広げたもん勝ちです。
常に情報に敏感でいれば、新しい価値観に触れながらタイミングを見計らって行動を起こすことができます。
勤務地や勤務時間を軽視しない
嫌でない仕事を探すとなると、多くの人は「仕事内容」について考えるかと思います。
それももちろん重要ですが、苦痛かどうかを大きく左右する要因が勤務地や勤務時間帯といった「環境」であることも忘れてはいけません。
- 勤務地
- 通勤時間
- 仕事の時間帯
例えば人によって「通勤時間が〇分以上だと苦痛」という条件は異なります。
苦痛度がより低くなる仕事を探すときに、これらの条件を軽視してしまうと総合的な満足度が下がりますので慎重に考えた方がいいところです。
最近ではフリーランスや在宅勤務で稼ぐ方法も増えてきており、場所や時間に縛られずに働ける仕事を見つけるのもそれほど難しくはありません。
長く続けられるかを考慮する
いまの時代に仕事を探すとき、「長く続けられるか?」という点は考慮した方がいいと考えます。具体的には以下のようなことです。
- 終身雇用は守られないかも → 個人としてのスキルがつくか
- AIに奪われてしまうかも → 将来性のある仕事かどうか
- 人生100年時代で長く働く必要あり → 年老いてもできそうなことか
このあたりの条件をすべて満たした上で「嫌ではない」仕事を選ぶのはなかなかハードルが高いと思います。
ただ、仕事自体がIT化の影響でなくなってしまったり、自分の体力的に長くは続けられなかったりすると、また一から仕事を探すことになってしまいます。
人生は長いので、いろいろなことに挑戦するのも良いですが、長い目で見て自分にとってメリットが多い仕事を選ぶのは大事だと思います。
副業などから小さく始めてみる
やってみなければ自分にとって嫌かどうかは判断がつきません。そこで、いきなり大きなリスクを取り過ぎず、副業などから始めてみて手応えがありそうか様子をみるのがいいと思います。
先ほど❝現状維持バイアス❞の話をしましたが、一歩を踏み出すのが怖いという人でも、万が一「やっぱり元の状態に戻りたい」と思ったときに、小さな変化であれば引き返すことも可能です。そういった安心感があることをわかっていれば、行動に移しやすくなります。
まとめ
仕事をしている時間は人生の30%以上を占めると言われています。
お金を貰うためには価値を提供しなければなりませんので、つらくて当たり前だという意見も理解はできます。ですが、嫌なことをするために人生の3割近くを費やすよりも、苦痛ではないことを見つけることに尽力した方が人生の幸福度が圧倒的に上がります。
好きな仕事で食べていくのが厳しいとしても、「嫌ではない」仕事を見つけるのはグッと難易度が下がります。今回の記事では、自分に合う仕事に出合える確率を上げるために以下の提案をしました。
- 定期的に自己分析をする
- 情報に敏感でいる
- 勤務地や勤務時間を軽視しない
- 長く続けられるかを考慮する
- 副業などで小さく始めてみる
すぐには見つからないかもしれませんが、人生は長いので、視野は広く持って探し続けてみるのがいいと思います。