英検1級の二次面接は、対策のやり方さえ間違えなけえれば必ず合格できます。
なぜなら二次に進んだ人は、一次の筆記という超難関をクリアできるほどの高い英語力があるからです。
この記事では、二次面接の対策法や予想トピック、本番で使えるフレーズ集について詳しく解説しています。
英検1級の一次・二次とも一発合格
※海外居住経験なし。すべて独学で対策しました。
それでは、スピーキングに自信がない人でも合格できる「二次面接に向けての万全な対策方法」について詳しく解説していきます。
英検1級二次面接の対策法
英検1級の面接では、高いレベルのスピーチ力と会話力が求められます。
以下の4つが評価ポイントです。
・Short Speech
与えられたトピックの中から一つを選び、論点とその根拠をまとめ、首尾一貫したスピーチを組み立てることができる。
・Interaction
面接委員とのやりとりの中で、それぞれの質問に対して臨機応変に応答し、会話を継続することができる。
・Grammar and Vocabulary
面接を通して、幅広い範囲の語い・文法を正確かつ適切に運用することができる。
・Pronunciation
面接を通して、発音・アクセント・イントネーションを正しく運用することができる。
対策のときからこれらを意識してスピーチの作成・読み上げ練習をする必要があります。
予想トピックを集める
二次面接対策で重要なのが、「予想トピックを集めること」です。
事前の対策でスピーチ原稿を作っておいたトピックが本番で出たら、かなりの高得点が狙えます。
二次のトピックは、一次のライティングとほぼ同じような内容です。
二次面接の過去問【一部を紹介】
過去に出た問題の日本語訳版を一部ですが以下に載せておきます。
(※実際の試験では、すべて英語で書かれています。)
・大学の授業は全ての人に無償化にするべきか
・テクノロジーを開発途上国へ移転することで経済発展につながるか
・税金を賢く使っていると思うか
・芸術は世界を変えることができるか
・都市化は進みすぎか
・宇宙探査に金を使う価値があるか
・日本はもっとエネルギー供給を考えるべきか
・アルコールはタバコより人体に有害か
・発展途上国の労働者の搾取を止めるために十分な対応がなされているか
・言論の自由の権利に対し何らかの制限はなされるべきか
・合法化されたギャンブルは国の経済に好影響があるか
・公海の侵害に対し十分な対応がなされているか
・宗教対立のない世界になることはあるのか
・現代社会において終身雇用はもはや実用的ではないか
・人工知能の潜在的危険が誇張されすぎているか
・芸術は国の間の平和を促進するか
・プライバシーの喪失は現代社会においては避けられないか
・現代の農業は環境に負担をかけすぎているか
・今日の人々は処方薬に頼りすぎているか
・グローバル化された世界において資本主義のみが現実的な経済制度であるか
・全ての国民は法律によって投票することを義務づけるべきか
・環境保護主義と大規模ビジネスは常に対立関係にあるか
・動物の権利は十分に考慮されているか
・増税は経済成長を助けるか、妨げるか
・有名人は政治の世界に入り込むべきではないか
・女性の権利に対し十分に配慮がなされているか
・メディアは気候変動の危険を扇情的に扱っているか
・SNSは利点より欠点が大きいか
・学校はIT技術の授業により集中するべきか
・もっと公共サービスを民営化すべきか
・凶悪な罪をおかした未成年を大人と見なすか
・銃の個人所有は禁止すべか
・日本の教育システムは他の国の模範になるか
二次面接は5つのトピックから1つを選ぶ仕組みなので、満遍なく対策するというよりは、自分が話せそうなジャンルやトピックから順番に強化していく方が合格率が上がると思います。
スピーチの対策
本番では、5つのトピックが書かれた「トピックカード」を受け取り、その中から1つを選んで2分間のスピーチをします。
本番の緊張の中でゼロから論理的なスピーチを考えるのは、相当な教養がある人でないと難しいと思います。
そのため、事前に❝スピーチ原稿を作成+暗記❞という路線でいくのが間違いありません。
必勝法①:できるだけ多くのスピーチ原稿を作る
まずは、スピーチ原稿を作っていきます。
ちょうど2分間でおさめるためには、大体200語ぐらいを目安にすればいいと思います。
スピーチの作るときは以下の点を意識してください。
- 論理的であること
- 自分の立場を明確にすること
- 1級にふさわしい語い,文法を使うこと
一次のエッセイでは本論で3ポイント提示する必要がありましたが、スピーチでは2ポイントでも問題ありません。
スピーチの解答例を参考にしたいという人にオススメなのが、こちらの本です。
多くのトピックに対し、賛成・反対の両方の解答例が掲載されていて、日本語の解説も充実しています。
私は数少ない1級の面接対策本を本屋でほぼすべて見てから選びましたが、こちらが断トツで役に立つと思いました。(実際、私が合格できたのはこの本のおかげです)
必勝法②:作ったスピーチをできる限り暗記する
トピックを選んでスピーチを考える時間はたったの1分間です(メモは不可)。
「本番中に考える時間はほぼ無い」と思っておいてください。
そのため、作ったスピーチ原稿をザッとでいいので暗記しておくのがオススメです。
私が合格できた理由:スピーチの暗記
私が実際の二次面接の本番で渡されたトピックカードは以下の内容でした。
- 企業は利益を得ると同時に倫理的であることが可能か?
- 途上国における子供の労働に対して十分な対応がなされていないのはなぜか?
- 警察は犯罪に十分な対抗ができているか?
- 政府は漁業を維持するのに十分努力しているか?
- ペット産業をもっとしっかり取り締まるべきか?
まあまあ焦りましたが、❝動物関連❞のスピーチを2つほど作っていたことを思い出し、「⑤ペット産業」のトピックを選びました。
二次面接はトピックが細かくピンポイントな質問なので、ぴったりと予想が当たる可能性は低いと思います。
事前に作っていたスピーチの中から応用をきかせてアレンジすることになります。
参考までに、私が事前に作って暗記していたスピーチを載せておきます。
トピック:動物の権利は十分考慮されているか?
(序論) There has been a considerable debate about animal rights. Although some say that society respects the rights of animals, I think that sometimes animals are used only for the benefit of humans.
(1) Firstly, in animal testing, countless animals are experimented on and then killed after the testing. I think that animal testing cannot be justified because animals should have the rights to life and freedom, and they should not be sacrificed for humans’ well-being.
(2) Secondly, pets are sometimes mistreated by their owners. Most people treat their pet like a member of their family, but some people don’t take care of their pets properly. If they don’t want their pets anymore, they discard them on the street. I think it’s a crime. People who own pets must look after them for life.
(3) Moreover, some pet industries treat animals as commodities to be bought and sold. For example, breeders raise dogs and cats for commercial purpose, and these animals are forced to live in unsanitary environment, and in the worst case, they get a life-threatening disease. The government should crack down more rigorously on these activities.
(結論) In conclusion, sometimes animals are treated cruelly. I hope the world will be able to create an environment where animals won’t be used and killed for the benefit of humans.
(※ここではポイントを3つ述べていますが、2つでもOKです。)
↑偶然にも、一部ペット産業の話も用意していましたので(3)段落はそのまま使うことに。そして、(2)もぎりぎりペットの話だったので、少しアレンジしつつ使いました。
このように、自分の頭にある情報をから臨機応変に対応する必要があります。
・できるだけ多くのスピーチを作ること
・可能な限り暗記すること
本番での極度の緊張の中で少しでも落ち着いて臨むには、この方法が一番良いと思います。
本番と同じように時間を計って練習する
スピーチを作った後は、本番と同じように時間を計って練習をしてください。
①まずは、1分間でトピックを選び、スピーチの構成を考える練習です。
(※下に練習用トピックカードを3つ用意しましたので、本番直前の練習にでもお使いください。)
- 15秒:5つの中から話せそうなトピックを選ぶ
- 45秒:スピーチのポイントを2つか3つ英語で考える
②続いては、選んだトピックで2分間きっちり測ってスピーチを読む練習をしてください。
発音・アクセント・イントネーションが正しいかどうかを意識して、本番さながらのスピーチをしてみてください。
【練習用】トピックカード例
<練習用トピックカード①>
・Should economic sanctions be used to achieve foreign policy objectives?
・Does a college education prepare people for work?
・Is enough being done to protect the world’s oceans from exploitation?
・Will there ever be a world without religious conflict?
・Does individual privacy outweigh the public’s right to know?
<練習用トピックカード②>
・Do the benefits of genetic engineering outweigh the dangers?
・Is capitalism the only realistic economic system in a globalized world?
・What country has an ideal education system that can be a good model for other countries?
・Can the hunting of animals for sport be justified?
・Should there be any limits on the right to freedom of speech?
<練習用トピックカード③>
・Are the potential dangers of artificial intelligence exaggerated?
・Can Japan’s rural communities be revitalized?
・Environmentalism and big business: Will there always be conflict?
・Are the arts given enough importance in today’s society?
・Can racial discrimination be totally eliminated from society?
スピーチの直前対策については以下の記事で詳しく解説しています。
質疑応答(Q&A)の対策
スピーチが終わったら、スピーチの内容に関連したQ&Aが出題されます。
4分間程度です。私のときは計4問でした。
1つの質問への解答量ですが、ワード数でいうと80~100語くらいが理想です。
…実のところ、私は本番で1問につき平均50語くらいの返答でしたが、それでも合格できました。
とはいえ、余裕があれば予想されるQ&Aの解答原稿も作っておくと安心だと思います。
予想される質問の答えを80語くらいで作っておく
ただ正直に言うと、事前に質問内容を予想するのはほぼ不可能です。Q&Aはその場の雰囲気と面接官次第なところもありますので…。
そのため、スピーチの対策(原稿作成+暗記)とは違うアプローチでの対策も求められます。
- 面接官が言うことを正しく理解するリスニング力
- 聞かれたことに瞬時に答える反応速度
Q&Aでは、会話力を重視した特訓をするのがいいですね。
普段からスピーキングが得意な人と苦手な人とで対策方法が分かれると思います。
●会話が得意な人(インプット重視)
スピーキングに自信がある人は、Q&Aよりもスピーチの原稿作成+暗記に力を入れて話せる内容を増やしてください。
●会話が苦手な人(アウトプット重視)
会話のやりとりに自信が無い人は、質問されたことに対して瞬時に考えて答える練習をしておいた方がいいです。
2週間ぐらい詰め込みでオンライン英会話などを使って対策をする人が増えています。
本番直前に数回受けるだけでも効果はあります。
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質疑応答で使えるフレーズ集
Q&Aのときによく使うフレーズをまとめました。
事前に頭に入れておくと、いざという時に便利です。
- I’m sorry, could you repeat it, please?
- Could you please paraphrase the question?
- Could you say that again?
- Well, it’s a complex issue.
- Well, that’s a difficult question.
- Basically (Generally), I think so.
(概ね)そう思います。 - I (completely) agree with the idea.
(全面的に)その意見に賛成です。 - (Obviously) I agree that~.
(もちろん)~に賛成です。 - I can support the idea.
その意見を支持します。
- Basically (Generally), I don’t think so.
(概ね)そう思いません。 - I (completely) disagree with the idea.
(全面的に)その意見に反対です。 - I disagree that~.
~に反対です。 - I cannot support the idea.
その意見は支持できかねます。 - I’d say the exact opposite.
私の意見は全く逆です。 - I’ m afraid I have to disagree.
残念ながら同意しかねます。
- I made a mistake. Please let me say again.
間違えたのでもう一度言わせてください。 - Thank you for kindly correcting me.
訂正していただきありがとうございます。 - There was something I forgot to say (in my speech).
言い忘れた事があります。 - It may make more sense to say that ~
~と言った方が納得いくかもしれません。
本番で注意したい重要なこと
実際に面接試験を受けた人にしかわからないけど、受験者が知っておくべき重要ポイントをまとめます。
①スマホ不可!直前まで対策したいなら紙媒体で
スマホなどの電子機器は会場到着後すぐに渡された袋に入れて使用不可になります。
待ち時間はけっこう長いので、紙の参考書などを持っていきましょう。
自分が作ったスピーチを見たい人は、プリントアウトしていってください。
②スピーチの2分間は自分で計ること
スピーチの2分間は自分で計らない限りどれだけ時間が経ったのかわかりません。
秒針つきの時計を持っていき、スピーチの開始時間をチェックしてから話し始めるといいと思います。
スピーチの途中でも2分経つと強制的に終了になるので、1つのことをやたらと長くしゃべりすぎないよう時間配分に気をつけましょう。
③とにかく何か話すことが大事
もし本番のトピックで話せそうなことが無い場合でも、黙り込んでしまうのが一番NGです。
- 黙り込んでほとんど話さない → 100% 不合格
- ズレた内容でもいいから何かしら話す → 合格の可能性あり
自分の持ち時間はとにかく❝考えるよりも話す❞という姿勢で臨むのがいいと思います。
ちなみに私も質疑応答で聞かれた1問に対してどうしても考えがまとまらず、多少ずれていると分かっていても思いついた内容を必死に話しました。そんな感じでも合格です
できる限りの対策をして、当日は落ち着いて話すことができれば合格に近づきます。
★英検1級関連の記事は以下にまとめて掲載しています。