仕事や勉強、人生において上手くいかないときに「環境が良ければ違ってたのに」と思うことは誰にでもあると思います。
生きていると、現実として環境に恵まれなかったのが原因で負のループに陥ることは珍しくありません。
こんなとき❝環境が人をつくる❞という因果関係で物事を考えることにより、「自分に原因があるわけではない」と納得できて、精神的に救われるのも事実です。
ところが、何か思いどおりにいかないことがある時に❝環境❞という外的要因を「自ら動かす」ことで事態が好転することがあります。
環境のせいにするのをやめたら物事が良い方向に進む
日本でも数々の本が大ヒットした「アドラー心理学」。
その中核のひとつに、❝自己決定性❞というものがあります。
人は自分の性格や価値判断基準を自分自身で決定している。たとえ親や家族、教師の影響を受けたとしても、その影響をどのように意味づけ、どうするかを決めるのは自分だということ。環境は影響因でしかなく、決定因は常に自分にあるということ。
簡単に言うと、「あなたをつくるのは、他の誰でもなくあなたですよ」「環境を変えられるのもあなたです」という話です。
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環境が悪いせいで何もかも上手くいかない人は、自分が行動することによってのみその状況を変えられるということですね。
諦めて良くなる時を待つよりも、行動を起こす方が成功する確率はずっと上がります。
上手くいっている人の成功の要因は、偶然でもなければ環境でもない
周りを見渡したときに「あの人は恵まれている」と思うことがあるかもしれません。
でも、その人が良い環境にいる理由を掘り下げてみると、単なる偶然ではないことが多いのです。
極端に恵まれない状態から成功した偉人たちの人生をのぞいてみると、その成功の秘訣が運や環境といった外的要因よりも、「本人の行動力」にあることがわかります。
●エイブラハム・リンカーン
第16代アメリカ大統領であるリンカーンは、とても貧しい家に生まれました。両親は無学の農民でしたが、彼はそんな環境の中でも独学で勉強をします。選挙に8回落選するなどの苦境を乗り越えて、最終的には国民から愛される存在(大統領)になりました。
●チャールズ・チャップリン
「喜劇王」の異名を持つチャップリンの少年時代に、母親が精神病を患って施設に収容されたそうです。どん底生活を余儀なくされた彼は、孤児学校などを転々とし、生きるためにいろいろな仕事をしました。そうした苦労を笑いに変えることで「喜劇王」として成功をおさめました。
●ウォルト・ディズニー
今でこそ屈指のクリエイターになったウォルト・ディズニーですが、過去には「イマジネーションがなく、良いアイデアも持っていない」という理由で、勤めていた新聞編集者の職を解雇されたことがあるそうです。また、何度も破産を経験しています。それでも諦めずに頑張り続けたことで、ディズニーランドという夢の国が完成したのです。
「こういうのはもともと才能がある一部の人だからできたんだ」と言う人もいるかもしれません。
でもリンカーンやチャップリンだって最初から自分の才能に気づいていたわけではないですよね。ウォルト・ディズニーなんて「才能がない」的な烙印を押されていたことがあるんです。
たまたま良い環境に恵まれる幸運な人は世の中にほんの一部しかいなくて、大体の人は運に任せずに自力で良い環境をつくっています。
『可能性』は全員に同じだけあるという重要なことに気づけるかどうかですね。
実生活で悪い環境から脱する方法
ここまでは環境のせいにしない❝マインド❞にフォーカスしたお話をしてきました。
ここからは、実際の生活において悪い環境の中から抜け出し、結果的に良い方向へ進む行動について具体的に見ていきます。
『仕事』の環境が悪いとき
仕事の環境というのは、コントロールできない要因が多くあります。
①自分の許容量を超える仕事が回ってくる
②上司や先輩の指示に間違いが多い
③職場の人間関係が悪すぎる
理不尽なことも山ほどありますし、自分の力だけではどうにも出来ないことも起こります。
まずは、この環境の中で自分で解決するために動くことからスタートします。
①仕事の量が多すぎてミスをした
→効率が悪いところは無いか?作業時間を短縮する方法は?
→仕事の振り方に明らかな問題点があるなら上司に調整をお願いする
②上司や先輩の指示が間違っていたことで問題が起こった
→自分が指示の間違いに気づき修正をすることが可能だったか?
→間違った指示が続くようなら他の信頼できる人のやり方に従う
③人間関係が悪すぎて業務に支障が出ている
→関係を良くするためにできることはあるか?
→悪い関係性の中でも業務をスムーズに行う方法を模索する
実はこれらは全て私が経験して、自力で乗り切った方法です。
もしこのように自分なりの解決策を試しても能力を発揮できないような環境なのであれば、そのような場所にずっと居続ける必要はないと思います。
⇒ 自分で解決するのが不可能なら、根本的な環境を変える
環境要因のせいで仕事に支障が出るのは誰にとっても不幸ですので、異動を願いでる・転職するなど根本的な環境を変えるのも一つの選択肢です。
『勉強』の環境が悪いとき
勉強の環境は、仕事の環境よりもはるかに自分次第でコントロールしやすいです。
①親が良い塾・良い学校に入れてくれなかった
→塾や学校に行かなくても一人で試行錯誤して成果を出すことはできる
→それに気づいたなら今から人一倍やって追い上げればいい
②家だとスマホなどの誘惑が多すぎて集中できない
→勉強中はスマホの電源を切り見えない所へ(通知も全てオフ)
→自習スペースなど勉強しかできない場所に行く
③飲み会などの誘いが多すぎて勉強の時間がとれない
→行きたくない飲み会はすべて断わればOK
→朝30分早く起きれば時間はつくれる
私が大学受験生に英語の指導をしていたときに、部活に力を入れ過ぎて塾に来れず誰よりも遅れを取っていた生徒がいました。
その後に勉強する環境を整え努力したところ、その生徒は偏差値が急激に上がり志望大学に余裕で入れました。
社会人でも同じですね。
誰よりも忙しく休日返上で仕事をしている人が、ある日突然「国連英検特A級とった」と報告してきたことがあってビックリしたのを覚えています。
勉強が上手くいかない理由が「環境のせい」というのはまずありえないと思います。
「環境のせい」という言葉を発するのが危険なワケ
「環境のせい」という趣旨の言葉を発するのは、出来る限り控えた方がいいと思っています。
愚痴をこぼす程度に一度や二度ならいいかもしれませんが、「〇〇のせい」という種類のネガティブ言葉は自分が気付かぬうちに周りを疲弊させてしまう可能性があるからです。
その理由を突き詰めると負のループの原因がわかります。
結論が「環境のせい」で終わる話には着地点がない
それが本当に環境のせいであったとしても、聞いている人からは「何か変えるための努力はしたの?」と思われていたり、下手したら「言い訳だ」なんて捉えられてしまうこともあります。
なぜなら、❝行動すれば環境を変えることができる❞ということを無意識のレベルでわかっている人も多いからです。
ネガティブ言葉を発するときに、ちょっとしたポジティブ言葉をプラスすることで受け取る側の印象が大きく変わる
気分が落ち込んでいるときに無理して前向きな発言をするのは難しいことです。
でもこれは周りだけでなく自分にも良い影響があります。
ネガティブな状況を「解決する意思がある」と示すことで、自分自身の行動を後押しすることにもつながるからです。
「〇〇のせいで上手くいかない」
→「そこでこういう行動をしてみようと思う!」
このような考え方をする人は、自分の力でいくらでも環境を変えていけそうですね。
まとめ:環境のせいで「諦める」のでなく、環境を「つくる」
私たちは、自分の周りの環境は変えることができないと錯覚してしまいがちです。
でも、環境とは結局❝自分でつくるもの❞なんですね。
このような考え方でいると、何か上手くいかないことがあったときに誰か他の人や環境のせいにすることがなくなります。
「自分しか環境をつくれない」という考え方によって、諦めて待つのではなく自ら行動を起こすことができる人にもなれます。
決して簡単なことではありませんが、やらないよりやった方が楽になることもありますよね。
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