英語を文字だと理解できるのに、それが音声になると聞き取れないという日本人は多くいます。
この記事ではそんな方々にオススメの練習法を紹介します。
聞こえた音をそのままインプットする方法
ちゃんとやれば確実に成果が出る方法なので、ぜひ試してみてください。
<記事の信頼性>
資格:英検1級、TOEIC960点
※純ジャパですが独学で高度なリスニング力を身につけました。
英語が聞き取れないと思うことが多い人、大学受験のリスニング対策法を知りたい方など、聞き取るコツを知りたい方はぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
英語が聞き取れない理由【スペルによる思い込み】
ほとんどの日本人は、音声ではなく文字をベースに英語を学んできました。
そのため、文字への信頼が強くなりすぎた結果、リスニングに支障が出ているケースは少なくありません。
【リスニングができない原因】
自分が耳で聞いた音よりも、目でみた文字のイメージに頼ってしまう
単語のスペルから勝手に想像するカタカナ読みやローマ字読みの発音に引きずられてしまうのです。
わかりやすい例で見ていきましょう。
例)cupboard
「食器棚」を意味するcupboard、英語ではなんと発音するでしょうか?
文字(スペル)から想像して「カップボード」でしょ、と思う方もいるでしょう。
でもネイティブ発音の正解は「カバード」なんです。
cupboardの[p]と[b]の音
→口の形は同じで[p]は無声音、[b]は有声音
→似た音が並ぶので最初の[p]が消える
例)ask him
ask himを日本人が言うと「アスク・ヒム」のようにスペルに忠実になりがちですね。
でも実際のネイティブ発音は「アスキン」に近いんです。
ask himの[h]が消える
→ ask imの[k]と[i]がくっつく
→ [m]は口を閉じるので「ン」と聞こえる
このような英語特有の❝音の癖❞を知らなければ、リスニングの聞き取りはかなり難航してしまいます。
耳で聞いた情報を信用するべき
上で説明した例のように、日本人がスペルから「こうだろうな」と想像するカタカナ読みと実際の英語の発音にはかなりの隔たりがあります。
●スペルから(目から)情報を得る人
⇒ ×聞き取れない
●音声から(耳から)情報を得る人
⇒ 〇聞き取れる
聞いた音をそのまま受け入れ、それを正しい発音だとみなして頭に定着させる方法でリスニングの練習をすれば、耳が英語に慣れてきます。
もとの単語のイメージからは納得できなくても、その音をそのまま受け入れて、「これが本当の発音なんだ」と思い込むことが大切です。
英語ができなかったのにリスニング力が急激に伸びる人は、これを自然とできているのです。
耳から頭に定着させるための『リスニング練習法』
それでは具体的なリスニング練習法を説明していきます。
Step①~③までありますが、特に重要なのは②の工程です。
Step①: リスニング素材を用意する
リスニング素材は基本的に何を使ってもいいのですが、以下の条件を満たすものが便利です。
・自分にとって、できるだけ簡単だと感じるもの
・英文のスクリプトもしくは英語字幕があるもの
ここでは参考までに、大学入試センター試験レベルの音源を貼っておきます。
手元にすぐ使えそうなリスニング素材が無い方は、試しにこちらをお使いください。
Step②: 英語を何度も繰り返し聞く【重要】
それではさっそく聞いていきます。
自分の耳に音を焼き付けるようなイメージで、何度も繰り返し聞いてください。
日本語で内容を理解するのが目的ではないということに注意してください。
耳からインプットされる英語の音を、頭に覚え込ませるための練習です。
英語の発音(アクセント・消える音・つながる音)に意識を集中させながら、英文スクリプトを一切見ずに耳だけで聞くのがポイントです。
「もう全て聞き取れた」と思っても、繰り返し聞き続けることで発音の細かいところまで深く定着していきます。
Step③: 英語のスクリプトで答え合わせ
聞き飽きるほど耳からのインプットをし終わったら、ここで始めて英語のスクリプトを見ます。
自分が想像した英単語と合っていたかどうかの確認してみてください。
【参考】YouTubeで英語字幕を表示する方法
※上に貼ったYouTube動画は、画面右下の設定から英語字幕(自動生成のもの)を表示させることができます。
●スマホアプリ
↑スマホアプリの場合、右上の❝縦3つの点❞から設定画面に飛べます。
ここから英語字幕を選んでください。
●パソコン
↑パソコンの場合は設定⚙ボタンから字幕の設定ができます。
ちなみに左隣の⌨ボタンで字幕のON/OFFを切り替えることができます。
自動生成の英語字幕の注意点
・まれに字幕が間違っている (ネイティブ寄りの発音なら間違いは少ないです)
・ピリオドやコンマがない
100%正しいわけではないことに留意してご使用ください。
今回の音声の英文スクリプト全文をこの記事の一番下に貼りました。
英文スクリプトで確認したい方はこの記事の最後にご利用ください。まずは説明を続けます。
耳からのインプット量が増えるとリスニング力が上がる
この練習法を使って文字ではなく耳からのインプットを増やしていくと、だんだん英語の発音の特徴に慣れてきます。
ここでは易しめでクリアな発音のリスニング素材としてセンター試験で使われるような英語の音声を紹介しました。
実際に海外の人と話すときに使われる英語はもっと速くて音のつながりも難解です。
そこで、日本に住む英語学習者がそういったリアルな英語をインプットするのに最適なのが、洋画や海外ドラマです。
日常会話を中心にすすむ良質なものを選び、生の英語の音を聞く特訓をしてみてください。
※参考記事:【英語学習】リスニング力が上がる海外ドラマ8選【傑作だけを厳選】
受け入れる発音の幅を広げることも大事
「発音には幅がある」ということも意識しておいてください。
英語は話す人の出身国によって、アクセントや訛りが大きく異なります。
日本語でも日本人全員が同じ発音やイントネーションで話しているわけではないように、例えばアメリカでも住む地域によって発音が微妙に違ったりします。
これも英語の難しいところです。数学のように答えが1つしかないと思ってしまうと上達は遠ざかってしまいます。
「このスペルの発音はこうあるべき」という意識が強すぎると、一部の国の一部の発音しか受け入れられなくなってしまいますので注意が必要です。
まとめ:コツをつかめば『英語耳』に近づきます
英語耳になるには、相当な訓練が必要です。
ここまで読んで、勘の鋭い方は気づいたかもしれませんが、この練習法は取りかかる時期が早ければ早いほど上手くいきやすいです。
なぜなら、間違った発音を思い込みで覚えてしまった後だと、正しい発音を頭に入れ直すのにかなり苦労するからです。
単語はわかっているのに聞き取りが上手くいかないという方は、今日からでもこの方法で練習を積んでみてください。
※関連記事:リスニング上達の近道は『語彙力』を伸ばすこと【英語学習の盲点】
※人気記事:海外ドラマ『デスパレートな妻たち』で英語を学ぶべき理由
上の音声動画の英文スクリプト
Many people who enjoy music know that it can provide various benefits in everyday life. On the other hand, when we are trying to study or think about something, music can bother us if it is too loud or too harsh. In other words, music can interfere with what we are trying to do. Nevertheless, according to several studies, music can have positive effects on learning and attitude when used properly. Some programs that make use of music have been found to produce positive changes in the learning processes of young people. One example is the learning to read through the arts LTR ta program in elementary school curriculum where teachers use music and other types of arts as a primary means for teaching reading, writing and other subjects such as social studies. In these classes, for instance, students listen to music discuss what they hear and read about composer’s and historical backgrounds in order to understand and interpret the music. Research indicates that the LTR ta program creates enthusiasm for learning among children, which leads to improvement in people’s reading, writing, thinking and analytical skills. This result shows that the program enhances student motivation and ability. Several studies have indicated that music can influence the attitude of adults towards learning as well. One study showed that background music helped participants to concentrate on tasks longer. Another study found that college students in a biology course were willing to stay longer in the laboratory when familiar music was playing. Apparently the music worked effectively to reduce stress and to create a comfortable environment. However, the research also found that music which was too loud made it hard for listeners to focus their attention. In addition, what kind of music the listeners prefer must be considered so that the music can affect the person’s mood and attitude positively to summarize under the right conditions. Music can be a useful aid to learning, however, we need to study music more to understand its full impact on the human mind. Through further study, it will become possible for us to learn how to use the power of music more effectively.
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!