どれだけスピーキング力が高くても、知っている英単語が少ない人は薄い内容しか話せません。
英語を本格的にやっていこうと思う人は、多くの単語を暗記する必要があります。
そこで今回は、効率のよい単語の暗記方法や、実際に私が使って良かった単語帳を目的別で紹介します。
- 資格:英検1級、TOEIC960点
- これまでに単語10,000語以上暗記しました。
趣味で使ったものは10冊以上、資格用のものを含めるとかなりの数の単語帳で勉強してきました。
- 英語をもう一度しっかり学び直したい
- ビジネスで使えるレベルの英語力をつけたい
- 大学受験や資格試験でいい成績を取りたい
それでは、効率のよい英単語の暗記のやり方についてお話ししていきます。
【目的別】必要な英単語の数
単語を暗記する作業はつまらないし、せっかく覚えたものを忘れてしまったりして嫌になる人は多いと思います。
それでも単語はしっかり覚えておかないといけない理由があります。
一定数の単語を覚えていなければ、英語で意思疎通を取ることはできない
具体的にどれくらいの数の単語を覚えるべきなのかを見ていきます。
・1,000語 → 英語を読む・話す上で最低限必要なライン
・5,000語 → CNNなどの米メディアのニュースが読める
・6,000語 → 大学受験(難関校)で困らない
・8,000語 → ビジネスで英語を使える
・10,000語 → 洋書などをスラスラ読める
まずは1,000語が一つの境界線で、これを超えると使える英語の幅が広がると言われています。
それぞれの目標に応じて、これからどれぐらいの数を暗記するべきなのかを把握しておくといいですね。
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効率のよい単語の覚え方【単語帳】
私の経験上、できるだけ短い時間でたくさんの単語を覚えるには(アナログではありますが)紙の単語帳を使うのが最も効率がいいと考えます。
まずは自分の目的とレベルに合った単語帳を1冊用意します。
どれだけ記憶力が良い人でも、何周かやってようやく覚えることができると思っておいてください。
英単語を覚えるときに確実に覚えやすい手順は以下のやり方です。
①見て意味を覚える
②書く
③聞いて発音してみる
実際には、英単語を見ただけで覚えられる人もいれば、書いたり声に出した方が定着しやすい人もいます。
それでは、できるだけ短期間で多くの単語を覚える方法を紹介します。
【単語帳1周目】どんどん覚えていく
まず1周目は基本、単語の意味だけを覚えていきます(例文は不要)。
1単語を覚えるのにかける時間は30秒以内でOKです。
※可能であれば、同時に正しい単語の発音を聞きながら行ってください。
1周目で覚えきることは不可能ですので、ここに時間をかけすぎずに時間を区切ってどんどん次に進んでいきましょう。
【単語帳2周目】覚えたか確認のテストをする
覚えたかどうかのテストをしていきます。
わからなかった単語はその場で確認します。
↑この、「思い出そうとする」→「見て実際に思い出す」という過程で脳に定着して覚えやすくなります。
このとき、わからなかった単語にはチェックを入れていってください。
【単語帳3周目】チェックを入れた単語を中心に再確認
チェックを入れた単語は必ずもう一度復習して、他にもランダムにいくつかテストしていき、どれぐらい覚えているかを確認します。
3周目の時点である程度しっかり暗記することが望ましいです。
どうしても覚えられない単語は書く&声に出して発音するという手順を追加して覚えていきます。
この後は、完全に覚えるまで<単語帳3周目>と同じことを繰り返せばOKです。
意味を覚えた頃には例文もあわせて確認して使い方を把握しておきましょう。
同じジャンルの単語をまとめて覚える
さまざまな方法で単語を覚えてきた私の経験から、効率が良いと思ったやり方を紹介します。
似た言葉からイメージを膨らませる
視覚効果も利用してイメージをまとめて覚えるやり方です。
例えば、「払うお金」を表す英単語は、charge / price / feeなどを状況によって使い分ける必要があり、なかなかピッタリと合う英語をひきだすのが難しい言葉です。
それを見開き1ページにまとめるとこうなります。
※画像:『私の英単語帳を公開します! 尾崎式の秘密(幻冬舎)』より
同じジャンルのものをまとめて暗記する
↓
複数の単語を関連づけながら覚えられる
全体を把握した上で違いを知ることができるので効率的ですよね。
物の名前はジャンルごとにまとめて暗記
物の名前は同じジャンルごとにまとめて一気に覚えてしまうのが手っ取り早いです。
例えば、海外の料理番組を見ていると、作り方の説明の中で出てくる野菜や果物の名前は暗記する気がなくても頭に残っていたりします。
「scallop(ホタテ)」「turnip(カブ)」「fig(イチジク)」
⇒『料理』という枠の中で関連づけられて効率よく記憶されているのです。
おすすめの方法は、ジャンル単位でネット検索して、そこに載っているものを一気に覚えてしまうやり方です。
(例) ❝食べ物❞ ❝英語❞で検索
⇒気に入ったサイトをブックマークしておく
スマホにブックマークしておけば、ふとした時に辞書がわりにパッと開けて便利です。
物に限らず、「国」「職業・肩書」「病気の症状」なんかも最低限まとめて覚えておきたいジャンルだと思います。
動画を使って覚える方法
洋画や海外ドラマ、YouTubeなどの動画を使って覚える方法も記憶の定着にとても便利です。
- 背景にストーリーがある方が記憶に定着しやすい
- ネイティブの正しい発音で覚えられる
- 暗記が退屈で挫折するのを避けられる
私は日頃から海外ドラマを使ってできるだけ楽しく英語を勉強していまして、単語もその中で大量に覚えてきました。
単語帳には、insight =「洞察、見識」とあります。日常会話ではどのような文脈で使われるのかイメージしづらい単語の一つです。
海外ドラマを観ていたとき、以下のようなセリフがありました。
You have more insight into my situation than I do.
「あなたは私より私自身の状況を把握してますね」(『デスパレートな妻たち』シーズン1第3話より)
「実際に会話の中で使われるとこんな感じになるのか」という気づきがドラマや映画を観ているとすごく多いです。
何より、単語がストーリーとともに頭に入るのでなかなか忘れないし思い出しやすいというメリットがあります。
ネイティブが出てくる動画を使えば、正しい発音・アクセントも同時に覚えることができるのも良いですね。
わからない単語が出てきたらその都度カチカチ止めて確認するという作業が必要になるので、効率は落ちると思います。
単語帳による勉強とバランスをとりながら動画学習を取り入れてみてください。
アウトプットを意識するのも大事
受験や資格試験のためにあわてて暗記した単語でも、5年後、10年後と時がたっても意外と覚えていたりします。
ですが、英会話の中でパッと言葉に出して使えるレベルにしようと思うと、アウトプットの練習はやっておいたほうがいいです。
- ❝日本語→英語❞を瞬時に言えるようにする
- 正確な発音ができるようにする
これが単語を覚えるときの最終的な目標にはなるのですが、なかなか難しいんですよね…(特に発音)。
せっかく覚えた単語をネイティブとの会話の中で披露しても問題がないレベルにするために、インプットだけでなくアウトプットも意識して単語の勉強をするのが大事だと思います。
おすすめの単語帳・アプリ
目的別にオススメの単語帳を紹介します。
↓【受験生・社会人にオススメ】基礎をかためたい人
↓【全世代向け】声に出しながら覚えたい人
↓【通勤・通学などスキマ時間に】問題形式で解きたい人(※アプリです)
個人的には、これから本格的に単語を勉強しようと思うなら紙の単語帳が1冊はあった方が良いと思う派です。
紙の単語帳で学習した後(もしくは並行して)スキマ時間にアプリの問題を解くというのがいいんじゃないかと思います。
英語の上達が早い人は、普段からリーディングやリスニングの勉強中に知らなかった単語を一つ一つ記録して覚えています。
『単語帳』以外でも意識的に暗記していくことが大事です。
まとめ:英単語はコツコツ作業が不可欠
英単語の勉強は退屈なので嫌う人が多いです。でもこの土台を築かなければ英語ができるようにはなりません。
単語の暗記方法も人によって合う・合わないがありますので、できるだけ自分にとってストレスが少ない方法を見つけて長く続けていくのがよいと思います。
- 単語帳 ←【重要】
- 単語アプリ
- 英字新聞や洋書
- 動画
まずは単語帳でしっかりと基礎を築くのが効率のよいやり方です。
単語帳が終わった後は、例えば「1日に10個は必ず覚える」などのように自分の中でルールを作って、日々触れる英文や動画の中から覚えた単語をスマホ・ノートなどに記録していくのがオススメです。
以上、英単語の覚え方に関するお話でした!